こーだゆー :
♪電脳ツバメは時知らず。冬もなければ夜もない。 笑いもしないし、怒りもしない。ただ情報はこぶだけ。 さみしくないの、友達もなくて♪
からすてんぐ:
おい、おーい、こーだゆー、こーだゆ〜。
だ〜れ〜?オラをよぶのは。
こっちだ、こっち。おい、上を見ろよ。木のてっぺんだ。 何の歌を歌っているんだ?
電脳ツバメの歌だよ。
へんな歌だな。電脳ツバメなんてどこにいるんだ?
目には見えないんだ。ふつうは『でんぱ』ってよばれてるよ。
ふうん。まあ、そんなことはどうだっていいや。 おまえ、また寺子屋へ行くのか。寺子屋へ行くと何かもらえるのか? あのおっしょさん、けちだろ。
けちじゃないよ。貧しいだけさ。
俺は去年、寺にあんぽんたんがつるしてあるのを見て、もらいに行った。 次の日ももらいに行った。その次の日ももらいに行った。 だが、4日目には呉れなかった。仏の顔も3度ってのは、ほんとだな。 ケケケ・・・。ところでおまえ、何かもってないか。 ん?なんだ、これは。栗まんか。ちえっ、食いかけじゃねえか、しけてんな。
あの、ほんのちょっとだけ食べてね。 おっしょさんがインフレになるかもしれないって言うから、オラ、栗まん1日 半個にしたの。それ、明日の分だから。
そんなこと知ったことかい。ア〜バヨ〜 (バサバサバサ)
あー、まってえ〜。
アーン、アーン。
おっしょさん:
おや、どうしたんだね、こーだゆー。何を泣いているんだ?
アーン。からす天狗に栗まんとられた〜。
しょうがないやつだな。庫裏にさつまいものしっぺたがあったはずだ。 あれを焼いてやるから、泣くのはおやめ。 ・・・ほら、焼けたよ。栗よりうまい13里いうてな。
ありがと、おっしょさん。
あのね、おっしょさん。 世の中には強い人と弱い人がいるよね。それなのにどうして競争するの? 競争したら、弱い人が負けるに決まってるでしょ?そういう人たちを守ってくれるのが国じゃないの?どうして競争社会でなきゃいけないの?
・・・うーん、そうだな、こーだゆーの言う通りだな。 じゃがな、あと20年たつと日本は65歳以上の人が全人口の4分の1になるそうじゃ。 高齢者が増えて働く人が減るから、税金を払う人が少なくなるわなぁ。 国の力も弱くなるじゃろう?国も人も弱い者ばかりになったら、誰が守ってくれるのかのぅ。 誰かに守ってもらうことを考えるより、自分に力をつけることが大事なのでないか? それに何が強くて何が弱いかはわからんぞ。 人間は1番弱くてちいぽけな生き物じゃったが、今は1番強い。
オラ、狸です。
そうだったな。1番強くて賢い人間を化かす狸は、もっと賢い。
うふふぅ・・・。